ビルやマンションお持ちの方は、代々の土地に親御さんがビルを建てたり、ご自分で建てたりしている方が多く、所有者ご自身は会社勤めの方やお店を経営している方が大半かと思います。

　土地の有効利用と言われて久しくなりますが、実際ビルやマンションを建てられますと、ローンの支払い、税金のこと、テナントのこと、エレベーターのこと等々、色々なことをそれなりの専門的知識を持って、あれこれと判断し、決断しなくてはならず、仕事の合間にちょっと考えてといった片手間ではなかなかうまく行かぬこともあります。

　世の中に、弁護士さんや税理士さん、建築会社や内装屋さん、不動産屋さんと不動産や建物のための専門家は揃っています。何とかコンサルタントと称する方や信託銀行のように経営の指導をされる方までいます。それらの方々に皆さんが問題を抱えていて最初にお声をおかけになった時のことを思い起こしてみてください。それらの方たちは、確かにその道での専門家であっても、他のことは解らないのでは無いでしょうか。たとえば、税理士さんに建物の修理料金の相談をすることはあっても、修理の中身がどうなのか訊く方はいないと思います。　専門家は、俗に言う「専門バカ」と思って間違いありません。そのような、なんか違和感のようなものを感じたことはありませんか？

　何かを決断するに当たっては、専門的知識がどんなに深くても、それらの知識は判断材料とはなっても何の役にも立たない。やはり、ご自身であれやこれやを考えながらお決めにならなくてはならないのです。

　ワン・ステップ・ショップとは、オーナーに総合的な判断材料を提供し、ときには専門家の裏付けをとりながら、判断や決断をして頂くという考え方です。建物の環境・周辺事情・テナントの動向・条件、賃料請求・入金チェック、建築資金返済方法の見直し・有効な税務対策・将来を見据えた資金計画等々のソフト面。設備管理・同補修改善工事・電気容量等のチェック、原状回復工事、防水塗装の点検・建物全体の点検、日常清掃・定期清掃等々。ざっと挙げましたが、いろんな事柄を同時進行させて行かなくてはなりません。これらのことが一つのところで一緒に考えることができる、システム。これが私どもが考えているワン・ステップ・ショップです。

　弊社は、約２０年の経験のなかから、いろんな状況に落とし込まれたオーナーを応援して参りました。１８人もの相続人がいらした方、不動産を競売にかけられた方、建築資金返済額よりも大幅に賃料収入が下回っていた方、あちこちの不動産を買い込んでしまった方、台風で雨漏りがひどかった方、汚水が地下のお店に溢れてしまった方。今もそのような方たちは、いずれも完璧とはいきませんが、そこそこに頑張っておられます。私どもは、どんな場合であっても、オーナーの置かれている立場を深く理解し、オーナーと同じ立場に立って判断材料やノウハウを提供させていただいた結果と思っています。ワン・ステップ・ショップの本当に大切な要素は、この「オーナーと同じ立場に立って」というスタンスです。

　また、オーナーとオーナーをサポートするスタッフの関係は常に密接でなければなりません。　スタッフ（管理会社）は、オーナーの弁護士や税理士あるいはゼネコンとダイレクトにつきあっていかなければなりません。そのときに必要なことは、いろんなことを考えずにオーナーの立場に立つという、簡単で明確な姿勢を保つことも必要だと考えています。いろんな要素を、オーナーの立場に立つというスタンスから分析し、対応策を講じていかなくては、先に挙げた「専門バカ」になってしまいます。